RB大宮アルディージャの監督として注目を集める長澤徹(ながさわ てつ)。
長澤徹監督の大宮アルディージャをJ3優勝に導いた手腕、そして選手との深い信頼関係は、多くのファンや関係者の心をつかんでいます。
とはいえ、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「あれ、長澤まさみさんの父親って長澤徹監督? それとも別人?」
そんな身近な話題から、戦術スタイル、選手たちの証言、心に響く名言、さらには現役・指導者時代の経歴まで ー 今回は“長澤徹”という監督の魅力をじっくりと紐解いていきます。
長澤徹と長澤和明 長澤まさみの父は、どっち?
よく混同されがちですが、長澤まさみさんの父親は、長澤和明さん。ジュビロ磐田初代監督としても知られる元日本代表の名選手です。
名前 | 出身地 | 生年 | 主な経歴 |
長澤 和明 | 静岡県清水市 | 1958年 | 日本代表、ジュビロ磐田初代監督、解説者 |
長澤 徹 | 愛媛県松山市 | 1968年 | ジュビロ磐田・本田技研、現RB大宮監督 |
同じ“長澤”姓、同じくジュビロに関わったこともあり、「もしかして親子?」と混乱するのも納得です。
ですが、長澤徹さんと長澤まさみさんに血縁関係は、ありません。
長澤徹の戦術・指導スタイルは? 「選手に寄り添う」がキーワード
長澤徹監督の最大の特徴は、人をよく見る力と、選手との対話を何よりも重視する姿勢です。
そして、選手に説得力をもって語り掛けるために、練習時間の2時間前から準備している選手がいれば、それより早く準備をするなど、選手以上にやっているぞということを示すことをモットーにしています。
選手ファーストの指導
「お前はどう思う?」という言葉から始めるコミュニケーションスタイルは、選手が自分の気持ちを自然に言える雰囲気を作り出しています。
元選手の佐藤由紀彦さんは、
「こちらの主張を全て吐き出させた上で、自分の意見を言うんです。だから、スゥーッと言葉が入ってくる。でも、いきなり俺はこう思うぞと言われたら、僕は持っている意見を言いますが、胸に抱えて吐き出せない選手もきっといると思うんです。たかが数秒のシンプルな会話であっても、そういう存在はありがたいんですよ。」と語り、その人間性の深さを評価しています(引用:Number Web)。京都サンガ時代に指導を受けた福田心之助選手も、
「口数はあまり多くないんだけど、ポッと出てくる一言がすごく自分たちに刺さるんです」と、その存在の大きさを感じていたようです(引用:RB大宮公式サイト)。
責任はすべて自分に
2025年7月5日、J2第22節・いわきFC戦の逆転負け後のインタビューでは、サポーターのブーイングを「すべて自分に向けられたもの」と受け止め、選手をかばう姿勢を見せました。こうした姿勢も、選手からの信頼を集める大きな理由なのでしょう。
RB大宮での戦術は? “人に合わせる”柔軟なスタイル
サッカーに関しては、「攻守に走る、全員攻撃・全員守備で誰一人サボらないチーム作り」を基本としているようです。こだわりのシステムを用いるというよりは、人に合わせたシステムを臨機応変に組み合わせていきます。
現在、指揮を執る大宮では、レッドブルグループとしての戦術「アグレッシブなハイプレスと、素早い縦への展開」を据えて、「ボールを持ってポゼッションしまくるわけでもなく、ドン引きしてカウンターを狙うわけでもない。我々はRBなので、ボールを奪いにいって必要なら早く攻めるし、必要ならしっかりボールを握る」という姿勢を語っています。
長澤監督は、特定のシステムにこだわらない柔軟な戦術家と言えるのではないでしょうか。
長澤徹の名言に、心が震える
選手との信頼関係から生まれる言葉の数々には、人生に通じる哲学がにじみ出ています。
「プライベートがうまくいっていない選手は、プレーを見ればすぐわかる」
「プロも結婚も、1~2年は誰でもできる。10年・20年が勝負」
「情熱は、“情けねえ”と思うときに熱が溜まる。悔しさが熱になる」
「育成世代のマネジメントがすべて。本気かどうかを子どもたちは見ている」
なんというか…これ、どれも大人にも刺さりますよね。サッカーを超えて、人としての在り方を考えさせられます。
長澤徹の経歴 現役時代は早めの引退も、名選手たちと共に歩んだ道
静岡県の名門・清水東高から筑波大学を経て、ジュビロ磐田と本田技研でプレー。主に右サイドバックとして活躍しました。
• 高校時代は武田修宏の1年後輩
• 大学時代は中山雅史・井原正巳の1年後輩
• ジュビロではJリーグ昇格に貢献
20代で引退し、指導の道に進みます。
長澤徹の指導者キャリア どの年代でも信頼される“教育者型”指導者
引退後すぐに指導の世界へ入り、ほぼ途切れることなくオファーが舞い込むのは、その人間性と手腕の証でしょう。
指導者としての略歴は、こちら。
1998年 | 本田技研工業コーチ就任 |
2001年 | FC東京・大熊清監督の下でトップチームコーチに就任 |
2006年 | FC東京U-15深川監督&トップチームヘッドコーチに就任 |
2008年 | 深川監督に再任 |
2010年 | 再任した大熊監督の要請を受けトップチームのコーチに再任 |
2011年 | FC東京を退団 |
2012~13年 | ジュビロ磐田ヘッドコーチ&暫定監督 |
2014年 | ファジアーノ岡山のコーチ就任。 |
2015年 | ファジアーノ岡山監督に就任 |
2016年 | ファジアーノ岡山でJ1昇格プレーオフに進出したものの、決勝戦で大熊監督が率いるC大阪に敗れ、J1昇格を逃す |
2018年 | ファジアーノ岡山の監督を退任 |
2019年 | FC東京に復帰し、トップチームのコーチ兼U-23監督に就任 |
2021年 | 京都サンガF.C.のヘッドコーチに就任 |
2024年 | 大宮アルディージャ監督に就任。J3優勝を果たし、1年でJ2復帰。現在に至る |
まとめ
今回は、長澤徹について深掘りしてきました。
・俳優・長澤まさみとは、血縁関係はない。長澤まさみのお父さんは、長澤和明。
・人をよく見る力と、選手との対話を何よりも重視する姿勢が選手から信頼を得る
・攻守に走る、全員攻撃・全員守備で誰一人サボらないチーム作りを基本。人に合わせたシステムを臨機応変に組み合わせている。
長澤徹監督は、教育者であり、人生の先輩でもある ― 選手にとって、「心を動かす監督」そんな存在であると感じます。
選手の心に響く一言、率先して動く姿勢、責任を背負う覚悟。そのどれもが、「人を育てる」という観点において一貫しています。
彼のような監督がいるからこそ、選手はモチベーションを高め、サッカーがもっと面白くなるのだと感じました。