16歳でプロ契約、18歳でベルギー挑戦で話題になった若手FW、道脇豊(みちわき ゆたか)。
道脇選手は、Jリーグ・ロアッソ熊本でクラブ史上最年少プロ選手としてデビューを飾り、現在はベルギー2部のSKベフェレンでプレーをしています。
身長190cm近い恵まれた体格に加え、スピードとテクニックを併せ持つ希少なタイプのストライカー。
U-20日本代表としても活躍が期待される道脇選手の「サッカーとの出会いからロアッソ熊本でのプロ入りまで」、「海外移籍後の成長について」をまとめました。
道脇豊 サッカーとの出会いからプロ入りまで
所属クラブ歴など
まずは、さっと所属クラブ歴を紹介します。
【所属クラブ】
太陽スポーツクラブ熊本 – ロアッソ熊本ジュニアユースーロアッソ熊本ユース – 2022年ロアッソ熊本(2種登録選手) – 2023年ロアッソ熊本 – 2024年SKベフェレン(期限付き移籍)
【日本代表】
U-16、 U-17、U-19、 U-20
サッカーとの出会い 保育園の先生からの勧め
6歳から、保育園の非常勤の体育の先生にサッカーチームに入ることを勧められ、サッカーを始めます。
小学校まで所属していた「太陽スポーツクラブ熊本」は、幼児から中学生までを対象としたサッカークラブ。鹿児島市に本社を置く会社が運営しています。
ロアッソ熊本アカデミーでの急成長と、16歳でのプロ契約!
道脇選手は、地元・熊本を拠点とするロアッソ熊本のアカデミーでメキメキと頭角を現していきました。高校生プロとして、神代慶人(くましろ けいと)選手が続いて出ています。アカデミーがしっかりと育成できる体制にある証拠でもあり、道脇選手がその象徴的存在だと感じました。
ロアッソ熊本ジュニアユースからユースへ。2022年には、わずか15歳でトップチームの2種登録選手に抜擢。同年3月、J2・V・ファーレン長崎戦では、ベンチ入りを果たします。
そして2022年12月、16歳8か月でプロ契約を締結。ロアッソ熊本史上初となる「高校生プロ」が誕生しました。
翌2023シーズンのJ2開幕戦(栃木SC戦)では、クラブ最年少記録となる16歳10か月でのJリーグデビューを果たし、堂々たるプレーを披露。
7月の天皇杯3回戦では、サガン鳥栖相手に2ゴールを決め、熊本の金星獲得に大きく貢献。しかし、8月の準々決勝・ヴィッセル神戸戦で右鎖骨を骨折し、約2か月間の戦線離脱となってしまいました。
それでも、2023年11月から開催されたFIFA U-17ワールドカップの日本代表メンバーに選出。しかし、ケガの影響もあり、得点0、アシスト1にとどまり、チームも決勝トーナメント1回戦でスペインに敗れるという悔しい結果に終わりました。
2024シーズンに入ってからは、4月のJ2第10節・ヴァンフォーレ甲府戦でリーグ戦初ゴールを記録。しかし、その後は結果が出ず、ベンチ外となっていきました。
J2リーグでは9試合の出場にとどまる中、夏に、より多くの出場機会を求め、新たな挑戦として「環境を変える」という決断を下します。
道脇豊 18歳での海外挑戦 ~ベルギー2部・SKベフェレンへ
2024年夏、18歳でベルギー2部リーグのSKベフェレンに期限付き移籍。
このチームは、森岡良太(引退)、小林祐希(いわてグルージャ盛岡)が所属していたことでも知られています。
すぐにベルギーデビューを果たし、リーグ第4節では初スタメン&初ゴール。2試合連続得点とインパクトある活躍を見せました。
2024-25シーズンは、ベルギー2部で21試合3ゴール。才能の片りんは見せたものの、先発は7試合にとどまっており、今後の成長が期待されます。
ベフェレンは、2024-25レギュラーシーズンで4位。昇格プレーオフに出場したものの敗れたため、引き続き2部リーグを戦います。道脇選手も、2025-26シーズンも同クラブでプレーすることが決定しています。
「環境を変える」という選択を18歳で下した決断力に驚きました。初スタメン&初ゴール、2試合連続得点と、新天地でもすぐに結果を出せる対応力の高さには脱帽です。ベルギー2部で実績を築き、さらにステップアップする日が待ち遠しいですね。
道脇豊 日本代表 U-16〜20と世代別代表に選出
道脇選手は、U-16からU-20まで各世代の日本代表に選ばれており、2025年2月にはU-20アジアカップでもプレー。見事、U-20ワールドカップ出場権を獲得しました。
大舞台でのさらなる躍進が期待されます!
道脇豊のプロフィールは、こちら。
生年月日 | 2006年4月5日 |
出身地 | 熊本県熊本市 |
身長、体重 | 190cm/77kg |
愛称 | ユタカ・ミッチー |
在籍チーム(2025年時点) | SKベフェレン |
ポジション | FW |
利き足 | 右 |
道脇豊 ベルギーでの成長 ~フィジカル強化・食生活・英語学習も
ベルギーでのプレーを通じてサッカー選手としての成長を着実に遂げています。
フィジカル強化・食生活の配慮で、肉体改造
「走れることやシュート技術には自信があったけど、それだけじゃ通用しないと実感しました」と語る道脇選手。より高いレベルを目指すため、フィジカル面の強化にも積極的に取り組んできました。
クラブハウスでの朝昼の食事に加え、夜は自炊をこなす生活を送りながら、「何をどれだけ摂取するべきか」を自ら考えるようになったそうです。
その成果もあって、ベルギー加入からわずか4か月で体重は73kgから77kgに増加。持ち味であるスピードを維持しつつ、肉体改造に努めています。
英語の必要性
オランダでプレーする塩貝健人選手とは、電話で英単語クイズを出し合うこともあるそうです。
「海外では母国語と英語の両方を話せるのが当たり前。せめて英語だけでもしっかり身につけたい」と語るところからも、プロとしての高い意識がうかがえます。
監督や日本人選手とのコミュニケーション
ベフェレンのマリンク・リーダイク監督は、アンデルレヒト・フューチャーズ時代に後藤啓介選手を指導していた若き指揮官(31歳)。
選手との積極的なコミュニケーションを心がけており、道脇選手もその姿勢に信頼を寄せているようです。
さらに、ベルギーリーグには、多くの日本人選手が所属(2025-26シーズン時点、15名、16クラブ中7クラブに在籍)しており、彼らとの交流も大きな支えになっていると言います。
特に、熊本にも在籍していたシュミット・ダニエル選手(現・名古屋グランパスエイト)は、食事に誘ってくれたり、ベルギーで試合も見に来てくれたのはうれしかったそうです。
食生活の改善や体重管理、語学学習に取り組む姿は、“海外で戦うアスリート”としての自覚を感じます。海外での生活経験が、今後のプレーや人間性にも良い影響を与えていってほしいですね。
まとめ
今回は、道脇豊について深掘りしてきました。
・16歳でロアッソ熊本史上初となる「高校生プロ」となる
・18歳で海外移籍。ベルギー2部SKベフェレンへ
・ベルギーでは、フィジカル強化・食生活・語学学習にも意欲的に取り組む
道脇豊選手のこれまでの歩みを振り返ってみると、「ただ大柄で恵まれている選手」という枠を超えた、多面的な魅力を感じます。成長意欲が強く、環境の変化を恐れず、キャリア構築をしている印象です。
道脇豊の身長、家族、高校、プレースタイルについては、こちらをお読みください。

U-20代表での活躍、そしてベルギーリーグでの実績が、今後のさらなるステップアップへとつながるはず。どこまで高みに登っていけるかが注目です。